レスキュー検定の内容と進め方
各課題をチェックし、以下の配点により採点します。採点結果が平均70点以上で25点以下がないことで合格とします。
減点基準は以下の通りです。
100点 実技が正しく素早くでき、理論を理解している。応用力がある。
75点 実技が正しく素早くでき、理論を理解している。
50点 講習内容に沿ってなんとか出来るが、理論を理解していると言い難い。
25点 講習内容の幾つかが出来ていない。
0点 出来ない
※ 明らかに間違っていて危険な場合は検定を中止とします。
初級レスキュー検定内容詳細
1.適切な装備を準備しているか |
---|
以下装備について適切な用具を準備しているかをチェックします。 |
ヘルメット、ハーネス、ビレイグローブ、補助ロープ(7mm以上のスタティックロープを9メートル)、カラビナ、ディッセンダー(8環、ATC等)、アッセンダー(マイクロトラクション、シャント等)、安全環付カラビナ、クイックドロー、ナイフ、ハンマー、プロテクション、ナイフ、応急処置セット、クライミングロープを適した個数を持っている事。また、登攀に適した服装、靴等であること。 |
2.レスキューに必要なロープの結びと使い方 |
---|
以下の基本的な結び方が正しくできるかチェックします。 |
・半マスト(ムンター)、ダブルデミキャプスタン ・仮固定の結び(ムンターミュール・オーバーハンド) ・固定の結び(エイトノット、クローブヒッチ、ボーライン) ・フリクションヒッチ(マッシャー、バルドタン、フレンチ、プルージック) ・フリクションヒッチ回収技術(ヒッチ回収、デバイス回収) |
3.支点の設置技術 |
---|
支点設置の知識、技術をチェックします。 |
・支点強度の判断 ・流動分散荷重の設置 ・固定の結び(エイトノット、クローブヒッチ、ボーライン) ・固定分散荷重の設置 ・支点構築材料の強度を考慮して設置技術 ・荷重方向とスリング角度の技術 |
4.結び目の通過技術 |
---|
懸垂下降途中、支点を使っての吊り降ろし時に結びめ通過をチェックします。 |
・懸垂下降中の結び目通過 ・吊り降ろし時に支点での結び目通過 |
5.仮り固定技術 |
---|
下記状況から仮固定で停止する技術をチェックします。 |
・支点での仮固定 ・リード確保時の仮固定からの脱出 ・懸垂下降時の仮固定 |
6.テラスからの怪我人の降ろし技術(75度程度の斜面) |
---|
怪我人を補助しながら下記の方法でテラスから降ろす技術をチェックします。 |
・懸垂下降での二人降り(カウンターではない) ・補助しながら歩いてのカウンターラッペル ・背負ってのカウンターラッペル ・補助者のロープ操作による背負い降ろし(補助者は支点でのダブルデミキャプスタン) |
7.怪我人の引き上げ技術(75度程度の斜面) |
---|
引き上げ技術をチェックします。 |
・1/3システムでの引き上げ ・1/5システムでの引き上げ |
8.懸垂下降失敗者の救助 |
---|
懸垂下降失敗者を別ロープを用いて救助する技術をチェックします。 |
・懸垂下降失敗者を救助する技術、別ロープによる |
9.固定ロープの張り方 |
---|
固定ロープを張る技術をチェックします。 |
・回収を考慮したロープを緊張する方法 |
10.自己脱出技術(90度未満の斜面) |
---|
自己脱出技術をチェックします。 |
・フリクションヒッチのみを用いた場合 ・器具を使用した場合 |
11.怪我人の処置、搬送技術 |
---|
自己脱出技術をチェックします。 |
・骨折の処置+止血 ・ロープ担架 ・背負い搬送(ロープ、ザック) ・ザック担架、(※講習とする) |
中級レスキュー検定内容詳細
1.レスキュー器具の使用方法、ロープの結び方、使い方 |
---|
器具の使用方法、ロープの結び方が適切に出来ているかチェック |
・ダブルデミキャプスタン ・仮固定の結び(ミュールノット+オーバーハンド) ・固定の結び(8の字、一重留め結び、クローブヒッチ) ・フリクションヒッチ(マッシャー、バルトタン、ポロネ、ブレーキヒッチ、フレンチ)の使い分け ・フリクションヒッチ回収技術(シャント、中田システム) ・オートストッパー解除技術(ジジ、ルベルソ) ・カラビナストッパー設置、解除技術(ガルーダ) ・アッセンダー(マイクロトラクション、シャント、等の適切な使用) ・登攀に適した身支度など ・※講習項目、カラビナストッパー設置、解除技術(ビエンテ、ロレンツィ) |
2.あらゆる状況下での支点設置技術 |
---|
状況に応じた支点設置が適切にできているかチェック。 |
・支点の新設技術(ハーケン、ボルト、カム、その他) ・流動分散荷重の設置 ・固定分散荷重の設置 ・荷重方向とスリング角度の技術 |
3.道具にこだわらない懸垂下降技術と空中での停止技術 |
---|
適切な懸垂下降技術と空中での停止技術をチェック |
・下降器具での懸垂下降と空中での仮固定技術 ・半マスト結びでの懸垂下降と空中での仮固定技術 ・結び目のあるロープの懸垂下降技術 |
4.あらゆる状況での自己脱出技術(空中) |
---|
あらゆる状況での自己脱出技術が出来るかチェック。 |
・器具を用いたスムーズな脱出 ・スリングによるスムーズな脱出 ・※講習項目、スリングが一本とカラビナだけでの脱出 |
5.引き上げ理論と効率的セット方法(垂壁) |
---|
正しい引き上げ理論と効率的セット方法をチェック |
・1/3システムでの引き上げ ・1/5システムでの引き上げ ・1/7システムでの引き上げ |
6.テラスからの怪我人の降ろし技術(75~110度) |
---|
テラスからの怪我人の降ろし技術をチェック |
・背負ってのカウンターラッペル(20m以上) ・補助者のロープ操作による背負い降ろし(先降りによる引き込みあり) |
7.垂壁でのカウンターラッペルによる救出技術 |
---|
カウンターラッペルによる救出技術のチェック |
・キャッチから同時降りによる救出 ・※講習項目、オーバーハングからの救助技術 |
8.垂壁での懸垂下降失敗者を救出する技術 |
---|
懸垂下降失敗者を救出する技術をチェック |
・懸垂下降支点(上部)からの救出(別ロープによる) ・同一ロープでの救出(懸垂中のロープを使用) |
9.ケガ人の応急処置、梱包、搬送技術 |
---|
適切な応急処置、梱包、搬送技術のチェック |
・手、足の骨折箇所の手当て ・ロープ担架での降ろし技術(半身用、全身用) ・背負い搬送 |
10.講習中の安全管理と指導方法 |
---|
講習中の安全管理が出来ているかチェック。 |
・セルフビレー、バックアップが適切に実施できているか ・指導方法(講習項目) |
上級レスキュー検定内容詳細
1.引き上げ理論と効率的セット方法(垂壁~空中) |
---|
引き上げ理論の理解と効率的セット方法が出来ているかチェック |
・1/3システムでの引き上げ(2分/m) ・1/5システムでの引き上げ(2分/m) ・1/7システムでの引き上げ(2分/m) ・1/9システムでの引き上げ ・※講習項目、1/2システムでの引き上げ |
2.テラスからの降ろし技術 |
---|
テラスからの降ろし技術(主に空中での救助)のチェックする |
・背負ってのカウンターラッペル ・背負い降ろし(カウンターではない) ・補助者のロープ操作による背負い降ろし(空中) ・ロープ担架での降ろし技術(コブ通過) |
3.カウンターラッペル技術 |
---|
空中でのカウンターラッペル技術のチェックする |
・空中でのカウンターラッペル技術 |
4.ハングでの宙吊りからカウンターラッペルの救出技術 |
---|
ハング帯での救助技術をチェックする |
・キャッチから同時降りによる救出 ・キャッチから先降りによる救出(末端で引寄せ) ・救助者の登り返しによる救出 |
5.トラバースルートでの救助方法 |
---|
トラバースルートで滑落した場合の救助技術をチェックする。 |
・トラバースルートでの宙吊りからの救出技術 |
6.空中での懸垂下降失敗者の救助方法 |
---|
空中での懸垂下降失敗者の救助方法をチェックする |
・懸垂下降支点(上部)からの救出(同一ロープ) ・下降地点(下部)からの救出(同一ロープ) |
7.登攀中のあらゆる状況での救助方法(課題設定) |
---|
課題を設定し複合的な救助が実施できるかチェックする |
・2P(80m以内)の中にハング、トラバースを含むルートに宙吊り状態を設定し救助する ・シングルロープでのリードまたはフォローの救助(ロープ残小) |
8.ケガ人の応急処置 |
---|
応急処置のチェック |
・頭の怪我、手足の骨折箇所の手当て |
9.梱包、搬送技術(課題設定) |
---|
課題を設定し適切な搬送ができるかチェックする |
・状況による適切な搬送 |
10.指導方法と技術 |
---|
レスキュー技術の指導方法についてチェックする |
11.筆記試験 |
---|
記述式を含む筆記試験を実施する |